忘年会と労災

ネット上には、「忘年会会場や帰り道での怪我や骨折などに労災が適用されるかどうか」をたずねる書き込みが多数見られます。また、弁護士など法律の専門家による書き込みへの回答も情報開示されています。結論としては、「業務災害」としても「通勤災害」としても認定されることはほとんどないとの回答です。ここでは、なぜ労災として認定されないのか、専門家の方々の見解を見てみましょう。

 

災害に労災が適用される際の要件は、「災害が起こったときに被災した労働者が使用者の支配下で業務遂行中に(業務遂行性)、しかも、業務に起因して発生したもの(業務起因性)であること」です。

 

忘年会への出席を会社から強制されていて忘年会の席では業務の打合せも行われていた、ということであれば「業務遂行性」があるとして業務災害が認められますが、たとえ会社の業務命令で出席していても、災害の原因が本人の逸脱行為や自然現象などによる場合には、「業務起因性」を欠くものとして業務災害と認められません。

 

次に、災害が通勤災害と認められるためには、災害の原因が仕事に関連していること、住居と就業場所との往復が合理的な経路と方法で行われていることが必要です。忘年会で盛り上がりすぎて泥酔状態となり、帰り道に不幸にして事故などで怪我をしたり亡くなったりした場合、忘年会会場から自宅への帰り道は、住居と就業の場所との往復という要件を満たさないため、通勤災害に認められないのです。

 

なお、会社の命令で忘年会の幹事を引き受けた場合、幹事だけには業務災害として労災が適用されるケースがありますので、少しだけ安心してください。